アルベルト・アスカリ



アルベルト・アスカリ(Alberto Ascari 1918年7月13日生)
 [イタリア・レーシングドライバー]


 ミラノ出身。1920年代に活躍したドライバー、アントニオ・アスカリを父に持つ。アスカリは幼い頃、父にレーシングカーの横に乗せられ、モンツァ・サーキットのコースを走って貰ったことがあるが、これが忘れられない出来事となったという。しかし父は1925年にクラッシュで他界した。アスカリは1929年に11歳で2輪の草レースを優勝。その後暫くは2輪レースに没頭していたが、1940年にアウト・アヴィオ・コストルツィオーニのティーポ815で1940年のミッレ・ミリアに出場。4輪レーサーとしての経歴が始まるが、第二次世界大戦の勃発により活動を一時中断した。戦後の1947年から再び表舞台に登場し、マセラティのセミワークスチームで活躍した後、1949年にはスクーデリア・フェラーリに加入する。スイスGPでフェラーリの国際グランプリ初優勝を達成。モンツァ・サーキットで行われたヨーロッパGPでも優勝し、イタリアを代表するドライバーとして認められた。

 1950年よりF1世界選手権が創設され、アスカリは第2戦モナコGPから出走を開始。初出走レースで2位という成績を収めるなど、シリーズランキング5位となった。翌1951年は、第6戦ドイツGPで初のポールポジションを獲得し、決勝でも優勝。初優勝をポール・トゥー・ウィンで飾った。これを含め2勝2ポールポジションを記録し、ランキングで2位となった。1952年は圧倒的な強さを見せ、参戦した7戦中6戦で優勝。優勝したレースでは全てファステストラップを記録し、そのうち5度はポール・トゥー・ウィンという成績で、フェラーリドライバーとして初のF1チャンピオンとなる。また1953年も8戦中5勝・2ポールポジション・5ファステストラップの成績でチャンピオンとなり、シリーズ初の連覇を達成した。1954年はフェラーリを離れランチアと契約するが、マシン開発が遅れ、実際にチームのマシンを駆ったのは最終戦のみとなった。中盤にマセラティから2戦、終盤にフェラーリからも1戦参戦しているが、欠場したレースが過半数を数え、完走なしでランキングは24位。ほぼ1年を棒に振る結果となった。

 1955年は第1戦アルゼンチンGPから参加。予選2位からトップを奪うが、22周目に事故でリタイヤした。そして第2戦モナコGPでは、レース中にシケインでクラッシュし、マシンごと海に落ちるというアクシデントを起こす。この時は現場に待機していた潜水夫に救助され、鼻の骨を折りながらも奇跡的な生還を果たした。モナコGPの4日後、アスカリはモンツァ・サーキットでのスポーツカーテストに現われた。フェラーリ・750モンツァで耐久レースに出場することが決まっており、モナコGPからの回復具合を確かめるため急遽ドライブを志願、マシンに乗り込むこととなった。アスカリは黒猫が目の前を横切ると、不吉と道を変えたほど信心深く、常に青いシャツと青いヘルメットを着用してレースに挑んでいた。しかし、この日はドライブする予定がなかったためヘルメットを持参しておらず、チームメイトのヘルメットを借りてコースに出て行った。しかしドライブから2周目、アスカリは突如急ブレーキを踏み、コースオフ。マシンはそのまま土手に乗り上げて宙を舞い地面に落下、そのはずみでアスカリはマシンから投げ出された。すぐに救急車で病院へ搬送されたが、その途中で死去。

 父アントニオも同じ36歳で、同じ「26日」に事故死していたことから、このことがしばしば「アスカリ家の悲劇」として語られている。

 アスカリが急ブレーキを踏んだ理由は、50年以上経過した現在でも分かっていない。しかし、この事故には一つの逸話がある。アスカリの事故が起こった直後、モンツァの従業員と思われる制服の人物が現場で目撃されている。その後、その人物は自殺という行為に走ったのである。自殺の直前に、彼は教会で懺悔をしアスカリの車の前に飛び出したという顛末を述べたという。しかし自殺は未遂に終わり、その後精神病院で過ごしたという説が存在する。事実として、アスカリの事故現場には急ブレーキ痕があり、ブレーキを踏んだままハンドルを切った形跡が残っている。アスカリが何かを目撃して回避行動を取ったと思われる状況がうかがえるのである。あくまでもこれは「説」の一つではあるが、事故原因の一つの有力な事案であると思われる。

 1955年5月26日死去(享年36)


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